台東区エリア・マーケティング

台東区 エリア・マーケティング

あなたの持つ不動産は唯一無二のものですが、動くことのできない”不”動産だからこそ属する場所のエリア性を良く考えていきながら活用していく必要があります。 ここでは建築想像株式会社が土地活用、賃貸経営を考える上で大事にしているエリア・マーケティングの一端をお見せすることが出来ればと思っています。 台東区はどのような街なのでしょうか。見ていきましょう。

定性的に見る台東区

台東区は東京23区の北東部に位置し、江戸文化の発祥地として400年以上の歴史を持つ、東京で最も伝統的で情緒豊かなエリアです。浅草寺、上野恩賜公園、東京国立博物館など、国内外から多くの観光客が訪れる名所が集積し、伝統工芸、老舗商店、下町文化が現代まで脈々と受け継がれています。 住宅地としては下町の人情味と利便性を兼ね備え、外国人観光客の増加により国際色も豊かになっており、伝統的な生活環境を好む人々から観光・文化に親しみたい層まで、幅広い居住需要に対応できる、東京の歴史と文化を感じられる貴重な賃貸投資エリアです。

<台東区の特徴>

23区の北東部、隅田川に面した歴史豊かな地域です。面積は23区中最も小さい(10.11km²)ながら、年間約5,000万人の観光客が訪れる日本有数の観光地で、昼間人口は約33万人、夜間人口は約21万人という観光都市としての性格を強く持っています。下町らしい人情味と国際的な観光地としての魅力が共存しています。

<各エリアの特徴>

  • 浅草 浅草寺を中心とした日本最大の観光地で、雷門、仲見世通りで世界的に有名。外国人観光客が多く、国際色豊かな住環境。伝統文化と現代的なライフスタイルが融合しています。
  • 上野 上野恩賜公園、東京国立博物館、上野動物園などの文化施設が集積する文化の街。美術・芸術関係者や文化に親しみたい層に人気の住環境を提供しています。
  • 谷中・根津・千駄木(谷根千) 古い寺社や伝統的な街並みが残る、東京で最も下町情緒を感じられるエリア。若い世代にも人気で、古き良き東京の魅力を求める層に支持されています。
  • 蔵前・浅草橋 問屋街として発展し、近年はものづくりの街として注目。クリエイティブな職業の人々や起業家に人気。伝統的な商業地区の住環境です。
  • 入谷・三ノ輪 比較的静かな住宅地で、下町の生活環境を残しながら、都心へのアクセスも良好。ファミリー層から単身者まで幅広い層に対応しています。

交通アクセス

JR山手線・京浜東北線、東京メトロ各線、都営地下鉄、私鉄各線が充実し、都心部への良好なアクセス環境を提供しています。成田・羽田両空港へのアクセスも便利です。
  • JR山手線・京浜東北線・常磐線 上野駅・鶯谷駅・日暮里駅 東京・品川まで約10分 新宿・渋谷まで約20分
  • 東京メトロ各線(銀座線・日比谷線・千代田線) 上野・浅草・根津・千代田線 銀座・大手町・表参道へ直通 都心各地への地下鉄網
  • 都営地下鉄各線(浅草線・大江戸線) 浅草・蔵前・新御徒町駅 押上・汐留・六本木方面 羽田空港直結路線
  • 私鉄各線(東武・京成・つくばエクスプレス) 浅草・日暮里・新御徒町駅 埼玉・千葉・茨城方面 スカイツリー・成田空港方面
  • 空港アクセス 成田空港まで約45分(スカイライナー) 羽田空港まで約40分(浅草線) 外国人観光客の玄関口

住環境・生活利便性

教育環境

  • 東京藝術大学(日本唯一の国立総合芸術大学)
  • 上野学園大学・短期大学部
  • 岩倉高等学校、忍岡高等学校
  • 区立小学校19校、区立中学校7校
  • 芸術・文化系の専門学校多数

医療・福祉

  • 東京大学医学部附属病院(隣接の文京区)
  • 永寿総合病院、台東病院
  • 浅草病院、上野病院
  • 区医師会・歯科医師会加盟医院多数
  • 高齢者対応施設も充実

商業・文化施設

  • 浅草寺・雷門・仲見世通り(世界的観光地)
  • 東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館
  • 上野動物園、アメヤ横丁
  • 合羽橋道具街(調理器具の専門街)
  • 東京スカイツリー(隣接の墨田区)

自然環境

  • 上野恩賜公園(都内有数の桜の名所)
  • 隅田公園(隅田川花火大会会場)
  • 谷中霊園(桜並木で有名)
  • 隅田川沿いの遊歩道・水辺空間

投資環境の評価

投資メリット

  • 世界的観光地による高いブランド価値
  • 外国人観光客・短期滞在需要
  • 伝統文化・下町情緒の希少価値
  • 上野・浅草の高い知名度
  • 空港アクセス良好
  • 比較的手頃な価格帯
  • 民泊・短期賃貸のポテンシャル

投資上の注意点

  • 観光地特有の混雑・騒音
  • 古い建物・インフラの多さ
  • 観光需要の季節変動
  • 建築制限・景観規制あり
  • 高齢化率が比較的高い
  • 大規模開発用地の不足

定量的に見る台東区

基本統計データ

21.0万人
人口(2023年)
10.11km²
面積(23区最小)
20,770人
人口密度/km²
12.8万世帯
世帯数
5,000万人
年間観光客数

賃貸市場データ

    平均家賃相場(2024年)

  • 1R・1K:6-12万円
  • 1DK・1LDK:9-16万円
  • 2DK・2LDK:12-22万円
  • 3LDK以上:16-30万円

主要入居者層

  • 外国人観光客・短期滞在者:20%
  • 芸術・文化関係者:20%
  • 一般勤労者・単身者:25%
  • 下町志向ファミリー層:20%
  • 高齢者世帯:15%

空室率・稼働率

  • 平均空室率:5-8%(観光地特性)
  • 短期滞在向け稼働率高い
  • 外国人向け需要安定
  • 季節変動あり(観光シーズン)

開発・建築規制

用途地域

  • 商業地域:35%
  • 近隣商業地域:30%
  • 第一種住居地域:20%
  • 第二種住居地域:15%

建築規制の概要

  • 建ぺい率:60-80%(商業系中心)
  • 容積率:300-600%(中高層中心)
  • 高度制限:景観・歴史的配慮
  • 伝統的建造物群保存地区
  • 観光地区としての景観規制

まとめ

エリア・マーケティングの際に分析する項目を抜粋してご紹介しました。同じ区の中でもそれぞれの街の特色は異なります。 また一つのデータ項目を取っても複数の解釈が可能で、時に正反対の2つの方向性・可能性を示唆することもあります。 企画ありきのおざなりなデータ確認ではなく、どのように解釈するのが正解に近いのか仮設検証を繰り返しながらゼロ・ベースで企画を練り上げていくのが建築想像株式会社の想像プロセスです。 台東区の土地活用、賃貸経営にお悩みがあれば是非お気軽にご相談ください。